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遺言の作成を強く勧める場合:第3回 離婚・再婚された方の相続

遺言の作成を強く勧める場合:第2回 子供がいない夫婦・子なし夫婦の相続)←前回

 

さて、遺言の作成を強く勧める場合として、次に取り上げるのは、「離婚・再婚された方の相続」についてです。

離婚・再婚された方が亡くなった場合、その相続人は、いったい誰になるのでしょうか。
図で示すと次の通りです(()内は法定相続分)。

 

[前夫(妻)との間に子がいない場合]

 

[前夫(妻)との間に子がいる場合]

 

このように、前夫(妻)との間に子がいる場合その親権をいずれが持とうが関係なく、前夫(妻)との間の子は相続人となります。

 

そして、前夫(妻)との間に子がいる場合で、遺言書がなくかつ、法定相続分通りで相続をしたくない場合、死亡時点の配偶者・その間の子 及び 前夫(妻)との間の子 で遺産分割協議をすることになります。

 

ではこの場合、どのような問題が想定できるでしょうか。

【遺産分割協議を行うために】
遺産分割協議を行うためには、法律上の相続人を特定しなければなりません。
その上で、実際に連絡をし、遺産をどのように分割するのか協議をしなければなりません。

死亡時点の配偶者・その間の子及び前夫(妻)との間の子が、連絡先を知っているような間柄ならば別ですが、疎遠であるか全く面識もないことも珍しくないと思います。
そうだとすると、連絡先を知ることも困難ですし、なんとか住所を突き止めても実際に連絡をつけて遺産分割協議をすることは簡単ではないことが容易に想像できます。

※他の相続人の連絡先を知る方法:戸籍を辿り戸籍附票から現在の住所を知ることはできます。相続が発生していれば他の相続人はもちろん取得できます。ただ、戸籍を読み慣れていないと取得は困難であると思います。ですから、この場合、専門家を活用する方がよいでしょう。

 

【前夫(妻)との間の子が自身の法定相続分を請求】
なんとか、戸籍ベースで相続人を特定し、連絡もし、遺産分割協議をすることができる状態になったとします。
では、すんなりまとまるでしょうか。もちろんその場合もあるとは思います。
しかし、上記の通り、前夫(妻)との間の子 も 死亡時点の配偶者との間の子 も等しく  であることには違いありませんので、同一の法定相続分が民法に定められています。
ということは、例えば、前夫(妻)との間の子が自身の法定相続分を遺産分割協議の中で請求することは当然あり得ます。
これは、親権が前夫(妻)側にあろうが、死亡前何十年と会っていなかろうが、変わりません。
このような場合に、その請求された法定相続分を満たすことのできる自宅以外の財産(預貯金、現金等)があれば良いのですが、めぼしい財産が自宅だけであるとすると、それを換価しなければならないこともあります。

 

【遺産分割調停・審判】
また、仮に遺産分割協議がまとまらなければ、家庭裁判所で協議や判断をしてもらうことになるかもしれません。
そうなれば、時間・費用共にそれなりに掛かることになるはずです。

 

しかし、遺言(特に公正証書遺言)があれば、

 

死後、遺産分割協議は、不要です。
よって、遺産分割協議で揉めることはありません。

さらに、前夫(妻)との子に法定相続分(上記の通り)を相続させたくない場合や反対にいくらか相続させたい場合には、それを遺言書に定めておくことができ、併せて遺言執行者を定めておけば、スムーズに死後遺言書通りの各種相続手続き(不動産の名義変更、預貯金の解約等)ができます。

この遺言執行者として専門家を定めておけば、例えば、前夫(妻)との間の子 と 死亡時点の配偶者・その間の子とが、連絡することなく死後、遺言書通りの各種相続手続きができます。
離婚・再婚された方の中には、心情的に連絡をさせたくないという方もいるかもしれません。

 

 

※公正証書遺言と自筆証書遺言の差異については、ホームページ内「相続・遺言作成について」の記載を参考にしてください。

※私は自筆証書遺言は、全くお勧めしません(揉める元であり、死後手続きがより煩雑になります)。

※前夫(妻)との子に全く遺産を相続させないとする遺言書を作成しても、その者からの遺留分の請求は考えられます。もっとも、遺留分相当額だけは相続させるという内容の遺言書を作成すればその恐れもなくなります。

 

このような事案について、大阪本町にて相談を希望される方(夜間相談や出張相談もOK)は、お気軽にメール・電話でお問い合わせくださいませ。

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